緊張とリラックス

自律神経とは緊張とリラックスのバランスを司る神経系です。
人間は緊張したり、リラックスしたり、繰り返しながら生きています。
しかし、現代社会では、緊張しっぱなしの生活が続くことも珍しくありません。
自律神経失調症は、現代社会に特徴的な病気といってもよいでしょう。
あなたは、心や体が緊張していませんか?

交感神経と副交感神経

自律神経は、交感神経と副交感神経の二つの神経系でバランスを取っています。
交感神経は「緊張神経」、副交感神経は「リラックス神経」といってもよいでしょう。
本来は、振り子のように、上手にバランスを取る仕組みになっているのですが、現代社会では、交感神経(「緊張神経」)に振り切れてしまい、副交感神経(「リラックス神経」)がうまく働きにくくなっているかたが多いのです。

症状

全身の緊張とリラックスを司るのが自律神経ですので、身体のいろいろな臓器に症状が出ます。

胃腸の不調、腹痛・下痢(過敏性腸症候群、IBS)、動悸、胸の苦しい感じ、息苦しい感じ、上半身の血行不良、肩こり、背中のコリ、首コリ、緊張性頭痛、眼精疲労、頭部ののぼせ、下半身の冷え、手足の冷え、脚のむくみ、耳鳴り、耳閉感(耳がボワンとした感じ)、メニエル病、風邪をひきやすい(免疫力低下)、微熱がでやすい、頭部・顔面、手掌・足裏、脇などの局所的な汗などの様々な症状が上げられます

現代社会

現代社会のライフスタイル(特に仕事のスタイル)は、交感神経が興奮しやすい状態を作り出します。
簡単に言うと、頭ばかり酷使し、身体を動かすことが減っています。頭と身体のバランスが著しくアンバランスになっています。
例えば、デスクワークが主な仕事のかたは、頭と神経ばかり使い、身体はほとんど動かしません。
1日のうちで、運動をするのは、通勤時間の一部だけと言うことになります。
また、仕事で、ノルマに追われていたり、納期に追われていたり、上司や顧客からのプレッシャーがかかっているひとは、常にストレスにさらされ、交感神経が興奮し続けていると言えます。
交感神経系が働くときは、「Fight or Flight(闘争か逃走か)」の状況であると言われており、戦うか、逃げ出すか、いずれにしても常に心休まらない戦闘モードに居るわけなのです。

薬物療法

交感神経の過剰な働きを抑えるような薬、つまり安定剤を使います。
また、唯一完全にリラックスすることのできる時間帯である睡眠がうまく取れていない場合も多いので、睡眠薬を使うこともあります。
薬だけで次第に良くなっていくことも多いのですが、これまで書いてきたように、根本的にはライフスタイルが原因となっている訳ですから、次に述べるように、生活習慣を変えていく工夫も必要になってくるかもしれません。

毎日の習慣が重要

薬でなかなか治らなければ、根本的な生活習慣の見直しが必要です。
薬で治った後、再発予防のためにも、毎日の習慣を改善する工夫が重要です。
ストレスをため込まずに、つまり、毎日少しずつ交感神経の興奮が高まって行き、自律神経のバランスを崩す前に、毎日の生活習慣の中で、自律神経のバランスを整えて行くことが、とても重要です。

睡眠

第1に、1日のうちで完全にリラックスできる時間は、眠っている時ですから、十分な睡眠を取りましょう。
最低6時間は必要で、7-8時間眠ることができるのならば理想的です。
睡眠が浅くなって熟睡感が無い場合、夜中に起きてしまうこと(中途覚醒)が続く場合、睡眠薬の助けを借りることも必要になってきます。

有酸素運動

第2に、有酸素運動をして身体をリラックスさせることが必要です。できるだけ毎日続けることが理想ですので、1日の目標は低くしましょう。
例えば、1日30分の有酸素運動から目標にしてみてください。
通勤時間の中で、朝と帰りの2回、15分ずつウオーキングの時間を作ればいいのですから、忙しいかたでも何とかできると思います。
続けると、全身の血液循環が良くなり、気持ちのよい汗をかくようになります。
誰しも、運動をした後には、心身の気持ちよさを感じることができるはずです。
その時には、副交感神経が活性化された状態になっています。

また、外での運動があまり好きでは無いかたは、それに変わるものとして、入浴や、ストレッチやヨガを行ってみてもよいでしょう。
入浴は、ぬるめのお湯にゆっくり浸かることが重要で、本でも読みながら半身浴をしてみてはいかがでしょうか。
ストレッチやヨガも、難しく考えずにとにかくやってみることが重要ですから、テレビでも見ながら、固くなった身体をほぐしてみましょう。
特に女性のかたは、アロマを利用することも良いようです。帰宅後、または、就寝前、リラックス効果のある自分に

食事

第3に食事です。
空腹が続くと、交感神経が興奮します。規則正しい食事習慣を心がけてください。
特に、残業が長いと、昼食から夕食までの時間があいて、空腹の時間が長くなります。
その結果、交感神経が興奮しようとするのですが、既にその時間は疲れもたまり、貯蔵用エネルギーの糖質も減ってきているので、うまく交感神経も働いてくれず、ますます疲労を感じるという悪循環になり、仕事の能率は下がってしまいます。
疲労しているのにもかかわらず、交感神経が働くように脳から指令が出続けるという、自律神経にとっては、非常にバランスの悪い状態になります。
しかも、遅く帰宅して、寝る前に、夕食を食べるわけですから、何一つ健康には良くありません。
残業をする場合には、夕方、軽めの間食を取り入れましょう。
おにぎり、サンドイッチなどが良いと思います。
子供の頃、おやつを食べたみたいに、昼と夜の間は、時間が長いので、間食を取るのは、非常に合理的なのです。