脳と薬 ー 精神科医・心療内科医

統合失調症、うつ病、双極性障害、社交不安障害、パニック障害、自律神経失調症、ADHD、ASDなどは、脳神経機能の失調が原因です。
神経伝達物質という、脳神経と脳神経の間(シナプス)で働く物質が、バランスを崩すことにより発病しますので、薬による治療が最も効果的です。
薬物療法が精神科医・心療内科医の最も重要な仕事です。
その他、環境調整(置かれた環境(職場環境、家庭環境)に問題がある場合、環境を調整します)、簡単なカウンセリングを行い、総合的に病状や状況を改善させていきます。
しかし、精神科医は、多くの患者さんを診療しなければならず、最低限必要なカウンセリングしかできません。
毎回、50分ほどの時間を取って、落ち着いた会話の中で、継続的なテーマについてカウンセリングをするのが、カウンセラー(臨床心理士など)の役割です。

心とカウンセリング ー カウンセラー

脳の機能の一部が「心」です。
不安やいらいらを薬で軽減することが出来ますから、心の働きも、一部は薬でコントロールできます。
しかし、心の無意識の部分(つまり心の大部分)については、薬でどうにかなるものではありません。
「心」のこの部分をあつかうのが、心理士によるカウンセリングです。
マイナス思考など考え方を変えたいかた、気持ちの整理をしたいかた、性格を変えていきたいかた、生育環境を見つめ直したいかた、親子関係を変えたいかたなど、是非、カウンセリングを利用することをお勧めいたします。

社会の変化と人間関係の変化

この数十年で社会が大きく変わって、人と繋がりやすくなった反面、人間関係のトラブルも増えて来ているのは、ご存じの通りです。社会の変化により、社会の多様性が大きくなり、逆に人とのつながりが希薄になっている面も確実にあります。
職場での人間関係、夫婦関係、親子関係、一般的な人間関係、性格的な悩み、子育ての悩み……
生きていく中で悩み、とくに人間関係の悩みは尽きません。最近はカウンセリング専門の機関もかなり増えました。カウンセラー自身のパーソナリティ、人生経験、また、カウンセリングのスタイル、スキルや経験などがカウンセラーによって異なりますので、クライアントとカウンセラーとの相性はとても重要です。数回カウンセリングを受け、会話をしてみて、相性をつかんでください。

親子関係や人間関係

親子関係を始めとする人間関係の問題は、カウンセリングの得意とするところです。
家族や、職場など、閉じられた人間関係の中で行き詰まってしまった場合は、利害関係のない第3者であり、しかも「心」や「人間関係」のプロであるカウンセラーに相談すると、問題が整理でき、解決の糸口が見えるかもしれません。

また、特に幼少期から続く親子関係の問題は、その人のパーソナリティに大きく関わっていますから、カウンセリングによって、親子関係のずれの中から生まれたいろいろな問題をひとつひとつ時間をかけて解決していくことは、パーソナリティの幅を広げて豊かな人生を送るのに、大いに役立つことになります。

お勧めは…  「東京セラピールーム」 中村正美 臨床心理士
専門性が高く、親子関係、トラウマ(≒PTSD)、大人の発達障害(ADHD)、依存症、アダルトチルドレンなどが得意分野です。現在、多忙のため、新しいかたの受付は難しいと聞いています

うつ病の再発

うつ病が長引いていたり、再発しやすかったりする場合、性格的な要因や考え方の問題が大きいことが多いです。
ストレスをうまく受け流せず、正面から受け止めてしまったり、ひとりで抱え込みやすかったり、気持ちの切り替えが上手く出来なかったり、ストレス発散が苦手だったりすると、うつ病になりやすいのです。
カウンセリングによって、ストレスをうまく受け流したり、ストレスに強くなることが少しずつできるようになります。
また、最近は、薬だけで治りやすい典型的なうつ病は、以前より少なくなってきており、うつ病の裏側に、いろいろな問題が隠れているケースが多くなってきました。
性格的な要因、人間関係、生育環境(親子関係)、社交不安障害、発達障害など…
うつ病の原因の整理と、原因の解決に、カウンセリングは役立ちます。

対人恐怖

他人が怖い、他人と関わることが不安だ、人の中にいると緊張する。
そう感じるのは自分だけだと孤独に思う人が多いのですが、実際は、意外と少なくありません。
幼少期からの、対人関係の積み重ねが、そのようになってしまう原因であることもあります。何かトラウマになった出来事をきっかけに、人間が怖くなってしまったのかもしれません。
どのような原因にせよ、世の中や人間の悪いイメージだけが強調されて、心の中に植え付けられてしまったのです。
カウンセリングによって、世の中や人間に対する見方、感じ方を少しずつ変えていくことが出来ます。すると、生活していくことが少しずつラクになっていくことでしょう。

強迫性障害

小さな事が気になって仕方が無い。自分でも気にしすぎと分かっているのに、止めたくても止められない。
確認強迫、不潔恐怖、他害恐怖などいろいろなタイプの強迫症状があります。
もともと几帳面で完璧主義の人に見られやすく、性格的要因も小さくありません。
SSRIという種類の薬を使いますが、薬だけでは十分に改善しない人も多く、カウンセリングの中で、曝露反応妨害法という技法を使うことにより、治療効果が上がります。

認知行動療法

人にはいろいろな癖があるように、考え方、感じ方にも癖があります。
例えば、マイナス思考という言葉があります。無意識のうちに、ネガティブに考えてしまう考え方の癖を言います。無意識的に自動的に、そういう思考をしてしまうので、「自動思考」といいます。
うつ病の時は、常にマイナス思考になります。マイナス思考は、うつ病の症状だからです。しかし、うつ状態ではなくても、性格的に、ついついマイナス思考になってしまう人は、結構多くいらっしゃいます。
認知行動療法は、日常の中の、マイナス思考の癖を、変化させていく方法です。
認知行動療法は、歴史の長い治療法で、約50年の歴史があり、現在も発展し続けています。マイナス思考を治すことは、効果の一例であり、いろいろな「認知」や「行動」の問題(考え方、感じ方、行動の問題)に対応できる、優れた心理療法です。

アサーション・トレーニング

自己主張がうまく出来ない人は、意外に沢山います。職場や友人関係などで、自分の言いたいことが適切に言えなくて、嫌な思いをしたり、悔しい思いをしたかたは多いと思います。
アサーションとは、自分の言いたいことを適切な表現を用いて、自分が萎縮することもなく、相手に不快感を与えることもなく、自己表現することを言います。
社会の中で生きていくためには、アサーションの考え方やスキルは非常に大切なことです。
アサーション・トレーニングで検索すると、いくつか、書籍が出てきます。自学自習だけではうまく行かないかたは、是非カウンセリングを利用してみて下さい。

カウンセラーとの相性

カウンセラーとの相性は非常に大切です。
得意分野や相性が合わない心理士にカウンセリングを受けても、あまり効果が期待できません。
また、カウンセリングでは、自分の希望をうまく伝えることが重要です。
対人関係が苦手なかたが、カウンセリングを受けることが多いようですので、カウンセラーに対しても、うまく伝えられないことも少なくないかもしれません。
しかし、カウンセラーはコミュニケーションのプロですので、安心して相談してみて下さい。
それでも、カウンセラーとうまくコミュニケーションが出来ない場合は、相性が合わないのかもしれません。